ガキ大将たちのキャンプ記録

誰にも目を瞑れば、心の奥底からひろがってくる光景が一つや二つは必ずある。私にとっては、20歳から30歳までに体験した少年たちとの思い出のシーンが心の宝物である。
子供達との出逢い
  二十歳の記念にと自転車で日本一周をして帰った年の秋、日焼けして屈強な体つきの少年が店の引き戸を開けてボーイスカウトの三指の敬礼をして立った。「鷹嘴さんからおうかがいして来ましたが、ボーイスカウトの佐藤さんのおうちはこちらですか。」とあどけなく尋ねられた。「あ〜、話はちょっと聞いてたけど・・・。」とあっけにとられていると少年はそのまま話を続けた。「今すぐ赤石神社に来て下さい。子供だけでキャンプしてますから、お願いします。」と返事を待っていた。「はい、・・・」と思わず返事をしてしまったのが、それから十年間、楽しい思いで作りに付き合う羽目になる出逢いだった。
 飯ごうに米一合を持って愛車の自転車で神社に行くとふた張りのテントに数人の子供達がいた。米と飯ごうを出したら今日は夕食はにぎりめしを持って集まり、炊事はしないとのことで、大笑いになった。結局、子供達からにぎりめしを分けて貰って久しぶりにテントに泊まることになった。

岩手キャンポリーの思い出
翌年の夏、滝沢村一本木の自衛隊駐屯地内の岩手山麓でボーイスカウト岩手県大会が開かれることになっていた。少年時代にお世話になった鷹嘴隊長にご恩を返すことは、ボーイスカウトの指導者ととなって自分が子どもの頃にして貰ったように子供達とキャンプをすることと腹を決めていた。が、自分がボーイスカウトの頃とはまるで様子も違っていたし、指導のノウハウもなかった。連日とても暑い夏であったが、体には自身があったのでがむしゃらに頑張れた。大過なくやり果せたのは、先輩指導者のサイトの設計、備品等の準備が万全だからであったと後で気づいた。
 夏とはいえ、岩手山の麓、夜は冷え込み指導者テントでひとり寝るていると明け方はとても寒くて目が覚めたのを覚えている。子供達が風邪をひかないだろうかと心配していると人数なので人の温もりで寒くはないとのことであった。
 夜空は満天に敷き詰めた星が降るように輝いていたことを思い出す。盛岡の図書館に通って星座のことを勉強し始めたのは、そのキャンプから帰ってからのことである。
思い出アルバム