令和4年(2022年) 9月 №1084
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認知症を知ろう
その心に寄り添い、地域で見守る
 9 月21日は世界アルツハイマーデーです。アルツハイマー病などの認知症への理解を進め、本人や家族への施策の充実を目的に、1994 年に国際アルツハイマー病協会(ADI) と世界保健機関(WHO)が共同で制定しました。また、9月を世界アルツハイマー月間として世界各国で啓発活動が行われています。
●認知症ってどんな病気?
 認知症とは、脳の病気などで、脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったりして、情報の分析や記憶、思い出す機能が低下し、普段の生活に支障をきたす状態のことをいいます。
●加齢による物忘れとの違い
・加齢による物忘れ
 体験の一部分を忘れる
・認知症による物忘れ
 体験の全てを忘れてしまう
・加齢による物忘れ
 物忘れしたことを自覚できる
・認知症による物忘れ
 物忘れをしたことを自覚できない
・加齢による物忘れ
 日にちは多少間違えても季節は間違えない、人や場所などは覚えている
・認知症による物忘れ
 日にち、人、場所などがわからなくなる
●認知症に備える
~その人らしい暮らしの継続を~
 グループホームゆうゆう北沢(長岡地区)の三上大仁所長に認知症の人との関わりの中で、日々感じていることを伺いました。
 近年、「もし自分が認知症になったら」あるいは「家族が認知症になったら」と心配している人が増えていると思います。また「認知症のことは、よくわからない」という人も多いのではないでしょうか。
 今や5人に1人が認知症になる時代です。身近に認知症の人がいなければ現実味がないので「わからない」と思う人がいるのも当然かと思います。若い人は特にそうではないでしょうか。
 私が、職場で認知症の人と日々関わる中で感じていることや、認知症になる前にやって欲しいことをご紹介します。
 それは、家族間で「どう暮らしていきたいか」「どんな最期を迎えたいか」などの意向や、「その人に関すること(生活歴や好み、趣味など)」などを早い段階からしっかりと話をして把握しておくことです。
 「いやいや、まだ早いでしょ」「そんな今更、昔から知っているよ」と思う人もいると思いますが、そんなことはありません。これは、とても大事なことです。認知症になると、思っていることをうまく伝えられなくなる場合があります。家族でも分からないことや知らなかったことがたくさんあると思います。
 考えや意向を把握しておくだけでも、いざ介護サービスを受ける際に、どんなサービスを受ければよいか、施設を希望する際もどういった施設を選べばよいか、判断材料の一つとして大きく役に立ちます。また、介護サービスを受けるにあたり、本人の希望や考え、詳しい生活歴をケアマネジャーや介護職員に伝えることで、ケアプランや支援の行い方に本人の意向が反映でき、質の高い支援が受けられることにつながります。ご家族としても、終末を迎えるまでどのようにサポートをしていくか考えの幅が広がると思います。
 ご自身やご家族が認知症の当事者になってから考えるより、「認知症になるかもしれない」という未来予測をしておいた方が、少しは気持ちにゆとりができます。なにより、当事者が認知症になっても、その人らしい暮らしの継続を可能な限り実現するためにも必要なことではないかと思います。
 「家族のことを知っておく」。シンプルなことですが、まずは家族で話し合ってみましょう。きっと、より良い未来につながると思います。
■グループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは?
 認知症の人が少人数で共同生活をします。できるだけ家庭に近い環境で、ケアスタッフのサポートのもと、一緒に食事を作ったり洗濯や掃除などをみんなで分担したりします。また、入浴や排せつなどの介護が必要な人には、一人ひとりにあわせたケアが提供されます。
【町内のグループホーム】
・グループホーム やすらぎ
 桜町字三本木46-1
 ☎ 676-5777
・グループホーム ゆいっこ
 土舘字関沢24-1
 ☎ 671-7155
・グループホーム ゆうゆう北沢
 北沢字北沢2-1
 ☎ 675-1511
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●認知症の人と接するときのポイント
 認知症になる可能性は誰にでもあります。最初に症状に気づき、誰よりも不安になって苦しむのは本人です。
 認知症を理解して、さりげなく自然でやさしいサポートを心掛けましょう。
・3つの「ない」
① 驚かせない
② 急がせない
③ 自尊心を傷つけない
・7つのポイント
① まずは見守る
② 余裕をもって対応する
③ 声を掛ける時は一人で
④ 後ろから声を掛けない
⑤ 優しい口調で
⑥ 穏やかに、はっきりした話し方で
⑦ 相手の言葉に耳を傾けてゆっくり対応する
●早期の受診が大切
 認知症は時間とともに進行していく病気です。早期に気付いて適切な治療を始めれば認知症の進行を遅らせたり、症状を軽減したりできます。早めに主治医や専門医に相談しましょう。
●認知症の人や家族を支える仕組み
相談場所
▼紫波町地域包括支援センター
 社会福祉士・保健師・ケアマネジャーが連携し、認知症をはじめ高齢者のさまざまな相談に応じて支援につなげます。また、認知症の人やその家族の相談対応や専門の医療機関につなげる認知症地域支援推進員がいるので、気軽に相談してください。
問合せ☎ 671-1101(直通)
▼認知症なんでも相談
 町内3カ所のグループホームの職員と町の認知症地域支援推進員が認知症に関する相談会を定期的に行っています。
・日時
 10月13日(木)、11月10日(木)、12月8日(木)、1月12日(木)、2月9日(木)
 いずれも午後2時~4時
・会場
 情報交流館1階 市民交流ステージ
・問合せ
 紫波町地域包括支援センター
 ☎ 671-1101(直通)
▼しあわせカフェ(認知症カフェ)
 しあわせカフェは、認知症の人やそのご家族がゆっくりとくつろげる場を提供します。認知症地域支援推進員も参加し、相談に応じます。
・日時
 10月21日(金)、12月16日(金)、2月17日(金)
※偶数月の第3金曜日
 いずれも午後2時~3時
・会場
しあわせキッチン(片寄字山田前293-1)
※月曜定休日
・問合せ
 ☎ 613-7008
▼岩手県基幹型認知症疾患医療センター
(岩手医科大学附属病院)
 認知症に関する相談対応や、専門医療の提供、かかりつけ医や地域包括支援センターとの連携などを行っています。
・問合せ
 ☎ 652-7411
 月~金曜日 午前10時~午後4時
認知症講座
●認知症サポーター養成講座
 認知症サポーターとは、「認知症について正しい知識を持ち、認知症の人やその家族を温かく見守る応援者」のことです。町で「認知症サポーター」を育成するための講座を実施しています。
・講座内容
 認知症の基礎知識や具体的な対応ポイント
・対象
 町内に住んでいる人、町内の事業所や学校などの各種団体
・その他
 5人以上の参加があれば講座を開催できます。町から専門の講師を無料で派遣します。
・申込・問合せ
 波町地域包括支援センター
 ☎ 671-1101(直通)
認知症高齢者の見守り支援サービス
「オレンジセーフティネット」の
利用者・協力者を募集しています
 町は、認知症高齢者の徘徊や行方不明事案の際に、地域の協力者がスマホアプリで見守り・捜索をお手伝いする「オレンジセーフティネット」を令和元年7 月から運用しており、利用者および協力者を募集しています。アプリはソフトバンク株式会社が開発・運営している全国共通のシステムです。
 徘徊高齢者の捜索に協力したい人も、徘徊高齢者の捜索を依頼したい人も、事前に名簿登録が必要ですので、下記までご連絡ください。
紫波町地域包括支援センター
(役場1階 長寿介護課内)
 ☎ 671-1101(直通)




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