50年後の紫波町の未来に向けて
地域メディア
 日詰の北上川に堤防が築かれたのは、昭和38年(1963年)頃でした。それまでは、毎年のように旧紫波橋通りは床上、時には軒下までの水害に見舞われ、一年に何度も被害を被ることもありました。堤防が築かれてからは、その災いからまのがれることが出来る様になっておりましたが、最近、様相が少々変わって来ております。北上川の洪水からは守られておりますが、日詰地区内の雨水の流入する大坪川が堤防内の内水として氾濫を起こすようになりました。平成14年の100年に一度と言われた洪水では、運動公園が水没し、紫波橋に通じる県道は交通止めとなり、旧紫波橋通りの新田町(桜町下川原)は床上浸水の被害を被りました。運動公園には水害から施設を守るために一機1億円する排水ポンプが3機備えられています。予想を超える増水でポンプ室に浸水し本来の機能が発揮できませんでした。平成18年にも床下浸水の被害が発生しております。町民の健康づくりに欠かせない運動公園の施設を水害から守るための対策としては次の2つの対策が必要と思われます。
■都市型水害対策
 昨今、温暖化の影響と思われる集中豪雨が全国各地を襲い、これまでの常識では対応できない事態が生じております。その自然環境の変化の要因に加えて、運動公園の洪水の発生メカニズムは大坪川上流の治水環境の変化が大きな原因になっております。これまで上流地域は田圃が広がりダムの役割を果たしていました。ショッピングセンターや新駅設置による宅地化に伴う土地の保水能力が低下し雨水が側溝に注がれ大坪川へストレートに流れ込む都市型水害の様相を呈しております。今後さらに、同地区に役場庁舎等が建設された場合、建物やアスファルトの雨水が大坪川に急速に且つ大量に流入することになり、下流域の洪水は恒常的に頻繁に発生することが懸念されます。その対策の一つとして、総合治水の考え方に基づく地域全域での雨水の蓄留・浸透施設設置の取り組みが重要な課題となります。全国には助成制度を導入し住民の協力を得て都市型水害対策を講じる自治体が数多くあります。
雨水貯留浸透施設助成制度の事例
 数年に一度は引き起こされるとみられる洪水の災渦から免れるために動力に頼ることには限界を感じます。運動公園の地形の改造による恒久的な対策、即ち堤防等の建設の必要性と感じます。
■百年の計に基づく堤防
 普通は、100年先の夢物語やホラに近い戯言の理想や希望を百年の計と唱い上げる場合が多いように思います。同じ100年間でも、50年前からを検証して分析、解析した結果を現代に透視して50年後に在るべき姿を考えることを百年の計と呼ぶべきと考えます。町民の健康と体力づくりのための運動公園は、100年先までも安全で快適に活用できる施設であるべきです。そのためには運動公園内に大坪川の氾濫を防ぐ土堰堤を築く必要があると考えます。幸いにして陸上競技場と野球場は大坪川に沿って設置されており、観客施設の改善を図りながら防災の強化を施すことが出来ます。陸上競技場と野球場と北上川堤防を結べば、新設すべき土堰堤は300m程で大坪川の堤防を築く場合の半分の距離でしかありません。その堰堤も運動公園の運動の施設として利用するアイディアも考えられます。折しも国の事業で赤石神社から紫波南大橋までの堤防建設の計画が浮上しております。大坪川に恒久的堤防を築き河口を北上川に開くことが出来るなら、以降に大きな修繕等の負担のなく水害による水没から守られた運動公園が実現します。下図をポインタすると50年後にあるべき姿がご覧になれます。
 (文責)shiwa.tv管理者 佐藤祐輔10/09/12
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http://www.pref.okinawa.jp/kasen/con08/08amamizu.html