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日詰商店会部分林物語

55/04/26 地ごしらえ
 45年前の昭和55年(1980年)、日詰商店会の商店主有志31名は、昭和天皇陛下の御在位50年を記念して実施された事業に応募し、紫波町赤沢の峠の頂上に、将来、子孫に財産を残し、地球の緑を守るためにという当時の商店会長の熱意に賛同して、杉の苗木12,000本を植え、植林事業を開始いたしました

59/10/12 下刈り作業
 「山へピクニックに行くような軽い気持ちで」という、甘い言葉に誘われて参加して始まった「地ごしらえ」と呼ばれる開墾作業は想像を超えて過酷でしたが、明るい日差しと新鮮な山の空気に包まれて気持ちよく充実感はありました。素人集団でしたが、赤沢の山仕事をしている方々の手ほどきを受けながら、4haの急勾配の山地に杉の若木を手植えし、登り詰めて行きました。

88/07/05 つる切り
 その後、毎年、下刈り、つる切り、枝打ちなどの作業をこなし、間伐は危険を伴うので森林組合に委託して、作業は平成21年に完了し、成長した木を出荷する主伐を待つことになりました。打ち上げの席で「俺たち年寄りはこれから20年後に主伐を見ることは出来ないなァ…。木の切り出しを見れるのは、一番若い佐藤君ぐらいかなァ。」と組合長が話されましたが、実際に多くの方々が他界されてしまい、今残っている創業メンバーは5名だけです。

91/06/20(S63)
 先般、東北森林管理署から、令和11年の主伐についての意向の問い合わせがありました。当組合の役職は世襲とすることになっており、組合長は孫の代になっていて、経過が分からないので手続きを進めて欲しいと依頼を受け、森林管理署への書面を整え、主伐は管理署へ依頼して「公売」で進めたい旨の意向を伝えました。
 ネット情報によると杉の価格は、現在1本1,500円とのことですが、間伐による間引きとか、製品にならない材木もあり、1人あたり約20万円ほどの収入が見込まれます。5年後に海外の輸入材が減り、環境保護の影響で木材価格が上がれば、増益が期待できます。捕らぬ狸の皮算用です。

92/05/20 枝打ち作業
 主伐まであと5年、事業が始まった頃は50年後は遠い未来のことと考えていましたが、気付けば目の前に迫っています。時の流れの速さを感じ、人生は短いドラマであったと実感させられました。でも、お陰で人生の時間の尺度になりました。木々の主伐の前に私は傘寿を迎えます。こちらが主伐されそうです。
 ドットハレ!



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